より深く永続する人間関係を築く。 その5(最終回)


今日は、「深い人間関係を築く」の最終回です。人間関係の維持(雑草を取り除く)の続きです。まず、批判する際のルールから。

批判する際のルール

批判されるのは、誰にとっても気持ちのいいものではありません。でも、批判はときに苦い良薬となり、必要なこともあります。薬が糖衣されて、適切な大きさで、十分な水とともに飲むのであれば、批判という薬も有効です。ただし、批判という薬が絶対に必要な場合に限ります。

もっとも、必要以上に投薬すると、薬は副作用をもたらします。そこで、批判を健全なものとするために、以下のルールを参考にしてみてください。

①批判する価値があるか。

コストに見合う利益があるか。問題解決に役立たない批判には、コストに見合う利益がありません。

②その人は、私より知っているのではないか。

その人の行動は、自分より状況等を詳しく知っているからではないか。批判する前に、それを考えてみましょう。

③その人は、私より知らないのではないか。

その人の行動は、自分の知っていることを知らないからではないか。知らないから、適切な判断ができないのかもしれません。そうであるなら、批判するまでもなく、知らないと思われる事実を知らせてあげればいいということになります。

④まず、その人の話を公平な立場で聞いてみる。

結論(批判)ではなく、まず質問することから始めてみましょう。批判する前に、その人に自分の立場や状況を説明してもらいましょう。説明してもらえば、誤解が解けるかもしれません。

⑤批判する相手ではなく、状況を考える。

批判する際には、相手を責めることではなく、状況の悪化にフォーカスする。たとえば、約束の時間に遅れたために、契約が結べなかったとします。このような場合には、どうして遅れたんだという前に、相手方の担当者の反応を伝えてみます。

⑥できるだけ思いやりのある言葉を使う。

言葉は本当に慎重に選びましょう。表現に思いやりを込めましょう。ただし、自分の利益ではなく、相手の利益を優先して考えているのであれば、ときに厳しい言葉を使うことも間違いではないと思います。もっとも、厳しい言葉は、できるだけ控えた方がいいように感じます。ここぞというときだけ。個人的にはですが(笑)。

⑦すでに反省している人を批判しない。

すでに反省している人を批判する場合には、批判が人を傷つける度合いは2倍となるにもかかわらず、効果は半分です。すでに、その人は自分が悪かったと思っているわけですから。

⑧批判する問題は1つか、2つに制限する。

批判は聞いていて疲れます。1回で批判する問題の数は、できるだけ少なくしましょう。あれもこれもと批判すると、効果もなくなってしまうかもしれません。批判した後は、さらに話し合いを進める前に、批判することが有用であったか確認するようにしてみましょう。

⑨批判する際は、簡潔に、本当に重要なことだけにとどめる。不必要なことを言わない。

事細かに、不必要なことまで含めて批判すると、批判の効果も減少します。これを避けるため、批判は数分以下にとどめておきましょう。

⑩やる気を出させるために批判しましょう。

批判は、やる気を出させるチャンスです。批判をする場合には、他人の成長を助けることを目的としましょう。成長してもらうために批判する。相手の成長を第一に考える。それ以外の批判は、止めておきましょう。

批判された場合

批判を受けた場合には、次の重要なポイントを覚えておきましょう。

①批判を贈り物と考えます。その贈り物は、今あるいは後になって役立つかもしれません。そう考えて、積極的に受け入れるように努力します。

②自分の感情ではなく、その批判から学べることに意識を向けてみます。「ここでの教訓は、何なのだろう」。そう自問してみてください。難しいかもしれませんが、批判した人を悪く言うのは止めておくように努めてみてください。この事態が教えてくれる教訓を学べば、人生がさらに楽になり、いいことがある。そのように考えてみてください。

③批判に対して、即座に言い返すのは止めるように努力してみてください。まず受け入れて、その人が自分の考えを言い終わるまで待ってみましょう。

④最後に、自分の行動を自分で批判してみましょう。自分で自分を笑ってしまえばいいのです。他の人に批判されるくらいなら、自分でしてしまえばいいでしょう。

ただ、自分の失敗も大目に見てあげてください。人間は、もともと不完全な存在です。失敗してしまっても、仕方がないのです。たとえ失敗しても、これからよくなろうとする気持ちがあれば、それで十分に素晴らしいです。

「ノー」というとき(断るとき)のルール

「ノー」と言うことが、必要なときもあります。分別のある人生を送るためには「ノー」ということも必要ですが、「ノー」というときは、あまり気持ちがよいものではありません。ノーと言うとき、人間関係は傷ついてしまいかねません。ですから、慎重にノーということが必要です。そこで、「ノー」を「イエス」でサンドイッチするのがいいです。「イエス。ノー。イエス。」という言い方をするのです。例を挙げると分かりやすいでしょう。

たとえば、だれか大切な人があなたの仕事場に訪ねてきて、ランチを一緒にしたいと言っています。でも、あなたは、昼食の時間も、続けて仕事をしたいと思っています。その人の気持ちを傷つけないで「ノー」と言うのに、どんな言い方がいいでしょうか。

選択肢1:すいませんが、ご一緒できません。忙しすぎるのです。
選択肢2:ご一緒したいのですが、今はやらなければいけないことが多すぎるのです。4時にコーヒーをするというのは、どうでしょうか。

選択肢1も、よいかもしれません。ただし、人間関係ができていて、相互理解が豊富な場合という条件付きです。

選択肢2であれば、人間関係を壊さないので、より有用な表現ではないでしょうか。「ご一緒したい」がイエス、「やらなければいけないことが多い」がノー、「4時にコーヒーしましょう」がイエス。「ノー」が「イエス」にサンドイッチされています(挟まれています)。

少し言葉を付け加えることには、素晴らしい効果があって、将来の誤解を回避できます。ぜひ、実践してみてください。

謝罪するときのルール

すべてに完全であろうと努力し、高次の原則を実践し、現在に生きても、失敗してしまうことはあります。失敗した場合にやりがちな誤りというのは、失敗について外部的な理由を一心に探して、できる限り責任をそれに転嫁するというやり方です。いわゆる言い訳です。こうすれは自我は満たされるかもしれませんが、将来的な成長の役には立ちません。

言い訳は、弱者の反応です。言い訳をしていては、自尊心を育むことはできず、自己管理もてきません。強者は、失敗を自分の責任であると認め、謝罪し、その失敗から学びます。では、どのように謝罪すればいいのでしょうか。

①謝罪は短く、簡潔に。

回りくどい言い方をするのは、止めてみましょう。率直に、隠し事をしないように努力します。

②謝罪は説明ではない。

謝罪する際には、説明は最小限にします。説明すると、失敗は自分の責任ではないと言っていることと同じです。

③他の人を批判しない。

謝罪しても、他の誰かを非難すれば、それは謝罪ではありません。謝罪は、ただ謝罪です。

④謝罪と同時に、事態を改善する行動をする。

 

単なる言葉ではなく、具体的な行動によって、心から謝罪しているのだということを示せます。

⑤失敗を繰り返さないために、具体的な行動をする。

こうした行動により、他の人は、謝罪が心からのものだと納得します。

期待を少なくする

標準的な人の場合、どんなときも、まだ片付いていないすべきことが、だいたい150個もあるそうです。また、たいていの人は、弱い自分を守ろうとしています。

現実的でない期待は、人間関係を破壊します。自分の期待をできるだけ抑えて、思いやりを示してみてくだい。そうすれば、人間関係を強化する助けとなるでしょう。

感想

参考:Amit Sood, M.D. 「The Mayo Clinic Handbook for Happiness」

hidenorin
翻訳者。早稲田大学商学部卒業。名城大学大学院法務研究科(法学既修者コース)2016年修了。 全国珠算教育連盟珠算検定試験1級。TOEIC940。 趣味は読書、水泳、写真撮影です。

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