自尊心から「セルフ・コンパッション」(自分に対する思いやり・憐み)へ。 その3


セルフ・コンパッション(自分に対する思いやり)の効果

自己批判ではなく、セルフ・コンパッションを実践する。すると、さまざまな効果が見られることは、昨日ご紹介しました。しかし、Emma Seppälä博士の「The Happiness Track」という本には、セルフ・コンパッションの素晴らしい点が、さらに多く挙げられています。

・持続的な幸福感が増す
・不安、抑うつ感、ストレスが減る
・健康の改善
・仕事上あるいは個人的なスキルの改善
・モティベーションの向上
・人間関係の改善
・失敗に対する怖れの減少、再挑戦への意欲の高まり
・意志力の高まり
・判断力の向上、困難に対する耐性の向上

これはぜひ、習慣にしたいですね(笑)。

セルフ・コンパッションを妨げるもの

私たちは、よいもの・中立のものより、有害なものや望ましくないもの(たとえば、不快で有害な考え・感情・人とのやり取り、悪い出来事)に意識を集中しがちだそうです(ネガティビティ・バイアス)。そして、こうした否定的なものに意識を向けることが習慣化します(習慣化・馴化)。それゆえ、セルフ・コンパッションよりも、自己批判に陥りやすいのだそうです。

ふたたび「感謝」の素晴らしい効果

しかし、ある習慣を身につければ、こうした傾向に流されないで済むといいます。その習慣というのは「感謝」です。「感謝」は、毎日の生活でありがたいと思えること、自分自身のよい点に目を向けます。なので、ネガティビティ・バイアスで悪い点に目が向きがちなのを、よい方向に戻してくれます。

感謝については、以前にご紹介しました。多くの研究で、感謝には素晴らしい効果があることが分かっています。「The Happiness Track」という本には、感謝の効果が1ページにわたって詳細に記されています。

とにかく、セルフ・コンパッションとともに、感謝も習慣化するのがよさそうです。毎日、感謝の日記をつけるのがよさそうですね。

セルフ・コンパッション(自分に対する思いやり・憐み)を高める方法

①自分自身に手紙を書く

思いやりがあって、優しい友人なら、どんな態度をとるかを考えてみましょう。そして、自問してみます。「思いやりがあって、優しい友人なら、今、私に何て言うだろうか」。その友人の言葉は、どのようなものですか。

思いやりがある友だちが、あなたにかけてくれる言葉を書き留めてみましょう。何日かしたら、その手紙を取り出して、読んでみてください。そして、自分から自分への手紙として、それを受け取ります。

②セルフトーク(自分自身に対しての語りかけ)を書き留める

ジーンズのサイズが合わない。場にふさわしくないことを言ってしまった。そんなときには、こんな言葉が頭に思い浮かぶかもしれません。「また太った。食い意地が張ってるから」。「変なことを言ってしまった。私ってバカなのかも」。こんな自己批判の言葉が頭に思い浮かんだら、その言葉を書き留めます。そして、自問してみます。「こんな言葉を、友だちに対して言うかな?」。

思いやりがある友だちだったら、あなたに何て言うでしょうか。
「ジーンズが縮んだのかもしれないよ」。
「少しくらい体重が増えても、そのほうが健康的に見えるから」。
「それにすぐ戻せるし」。
こんな風に言うのではないでしょうか。そして、これらの言葉にも理由があるのではないでしょうか。

③セルフ・コンパッションを思い出させるフレーズを作る

セルフ・コンパッション(自分に対する思いやり)をすぐに思い出すことができれば、自己批判に陥らずに済みます。そこで、セルフ・コンパッションを思い出す言葉を作ります。簡単に覚えられるものがいいでしょう。そして、何か困難なことがあったときは、この言葉を唱えます。

たとえば、このようなものです。「今は苦しいときなんだ。苦しみは人生につきもの。こんなときこそ、自分に対して優しさを持てますように。自分に対して思いやり・慈愛を持てますように。こういうときにこそ、それが必要なのだから」。

「セルフ・コンパッションが大事」。それを思い出させてくれる言葉なら何でもOKだそうです。

感想

今回はEmma Seppälä博士の「The Happiness Track」を参考にさせていただきました。驚いたのは、「セルフ・コンパッション」と「感謝」の効果です。科学的に裏付けられた効果が、1ページにわたって列挙されていました。

たとえば、「感謝」の効果は、感情(気分)の改善、不安・抑うつ感の減少、睡眠の改善だけではありません。人間関係の改善、好感度の増加、意志力の増強、意思決定の改善、他人に対する影響力の改善といった効果も挙げられています。これらは仕事や職業上のスキルを改善するものであり、個人的な成功とも関連するものです。

ぜひセットで習慣にしたいですね(笑)。

参考:
Emma Seppälä, Ph.D 「The Happiness Track」
Emma Seppälä, Ph.D 「Self-Compassion Outweighs Self-Esteem for Resilience & Empowerment」


hidenorin
翻訳者。早稲田大学商学部卒業。名城大学大学院法務研究科(法学既修者コース)2016年修了。 全国珠算教育連盟珠算検定試験1級。TOEIC940。 趣味は読書、水泳、写真撮影です。

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