コンパッション(他者への思いやり・慈しみ)の実践 その2


コンパッション(他者への思いやり)の素晴らしい効果

昨日の続きです。よかったら、素晴らしい効果が分かりますので、昨日の投稿もお読みください。コンパッション(他者への思いやり)を実践すると、より健康になれ、幸せになれる。それだけでなく、生産性を高めて、出世も早くなるのでした(笑)。

まさに、「情けは人の為ならず」です。自分のためにするのですから、偽善や建前ではありません(笑)。自分にとっていいことだらけなので、やってみる。それだけです。

アミット・スード博士によると、コンパッション(他者への思いやり)に至るには、4つの段階があるのでした。この4つの段階を知ることも、コンパッションの実践につながると思いますので、ご紹介します。

コンパッション(他者への思いやり)に至る4つの段階

①苦しみに気づく

私たちは通常モードでは、自分の問題で手いっぱいで、他者の苦しみに気づくことはあまりないそうです。通常モードの場合、脳は、いろいろなことを考えています。そして、その考えは、マイナスのこと、よくないことが多い。私たちは、一日の半分以上を通常モードで過ごしているといいます。自分が今していることから離れて、生活で起こるさまざまなことについて思い悩んでいます。一日の半分以上だそうです。

また今日も、上司やお客さんに文句を言われるかな。テストで悪い点を取ったら、どうしよう。来月の支払いはできないかも。頭の中であること、ないこと考える。これがコンパッション(他者への思いやり)の実践にとって最大の障害になるといいます。

そこで、まず、自分の怖れ・移りゆく考えから離れて、目の前にいる相手に注意を集中するのがいいそうです。そうすることで初めて、他人の立場に立って、その人の置かれている困難を理解することが可能になるからです。昨日の子猫の例でいうと、自分の状況を忘れて、極寒の状況にいる猫の立場に立ってみます。寒い・・。

②苦しみを批判しない

苦しんでいる人を批判・非難しない。次のステップがこれだそうです。苦しんでいるのは自分の責任。そんなことになる前に、どうして自分で何とかしないの。そんな風に批判的にその人を見ると、コンパッション(思いやり)は実践できません。

苦しみを望んで、招き寄せる人はいません。できればどんなときにも、状況を責め、その人を責めないようにする。子猫を捨てた人を責めるのではなく、子猫がつらい思いをしていることに意識を向けるように努力します。

③助けてあげようと心を決める

批判・非難のハードルを越え、他者を認めることができたら、次のステップがこれです。その状況に対して、自分にできることがある。まず、それに気づく。

猫を好きになるのは無理かもしれません。アレルギーがあるので、飼うこともできないかもしれません。でも、家の中で一夜を過ごさせてあげることは、たぶんできます。

助けてあげようと気持ちを決める。これがなかなか難しいのだそうです。助けてあげることはできない、と思ってしまうからです。助けることで、他者を傷つけてしまうかもしれない。あるいは、プライバシーに立ち入ってしまうかもしれない。そんな風に怖れてしまうからです。

でも、こうした懸念は、たいていが行き過ぎだそうです。ほとんどどんな場面でも、できることはある。ただ、声をかけるだけでも、助けになります。そして、謙虚に丁寧に敬意をもってすれば、相手を傷つける応対をしてしまうことはまずありません。

④苦しみを減らす

コンパッション(他者への思いやり)を行動にできない。その主な原因は、自分にできることがあると思えないからだといいます。あるいは、何をしたらいいか分からない。いろいろ考え過ぎてしまって、何かしてあげることにしり込みしてしまう。助けることで悪いことが起こらないか怖い。それで、コンパッションを実践できなくなるといいます。

でも、猫アレルギーが重度なら、一夜だけおいてあげてと誰かに頼んでもOKです。できることはあるのだそうです。

アミット・スード博士の患者で、生命にかかわる病気でありながら、家族や友人のサポートがまったくなかった人がいました。その後、その人は回復しました。最も希望をなくしていたときに、して欲しかったことは何でしたか。この質問に、こう答えたそうです。

④苦しみを減らす(つづき)

「温かいスープを持ってきてほしかった」
「庭の芝刈りをしてほしかった」
「雪かきをしてほしかった」
「子どもを映画に連れて行ってほしかった」
「一緒にいてほしかった」
「歌を歌ってほしかった」
「自分の悩みを聞いてほしかった」
「本を読んでほしかった」

博士の同僚は、これを聞いて、こう言ったそうです。誰かの苦しみを和らげるのに一番重要なステップは、ただその人の前に現れるということではないか。予想もできないようなよいことをする必要はなく、状況を一変させるような言葉を言う必要もない。ただ、いつものような気持で、そこに来てあげればいいのではないか。

感想

たしかに、コンパッション(思いやり)を実践しようとすると、相手や周囲の人がどう思うかが気になりそうですね。でも、こうした懸念は、行き過ぎの場合が多いことが分かりました。

また、通常モードだと、頭の中でいろいろ考えていて、目前の出来事に対して上の空。そして、半分以上の時間が、そのような状態。上の空というのは分かりますが、そんなに長い間その状態だとは知りませんでした。

通常モードは、生存するための本能だそうです。なので、自分に対する危険に意識が集中してしまうとか。それで悪いことを考えてしまう。でも、数千年前と比べて、身体の安全を守るために必要な時間は少ないです。

感想(つづき)

ライオンが目の前に現れた。「恐怖」が生じます。すべてを忘れて逃げるしかありません。でも、現代の「恐怖」は質が違うといいます。

ばつが悪い思いをするのではないか。締切に間に合わないかもしれない。誰かを失望させるのではないか。バカにされるのではないか。いってみれば、「悪い予想が現実化するのではないか」という「恐怖」です。

ライオンの場合は、危険は現実にあります。「恐怖」を感じるのも当然です。でも、「バカにされるのではないか」は、私たちが頭の中で考えた危険です。こうした考えの多くが非合理的なのだそうです。実際に危険はない場合が多い。これを納得していれば、くよくよすることが少なくなる。何かで読んだような覚えがあるのですが・・。

相手に注意を集中し、よく観察して、コンパッションを実践したいと思いました。それで出世が早くなるのですから(笑)。

参考: Amit Sood, M.D. 「The Mayo Clinic Handbook for Happiness」

 


hidenorin
翻訳者。早稲田大学商学部卒業。名城大学大学院法務研究科(法学既修者コース)2016年修了。 全国珠算教育連盟珠算検定試験1級。TOEIC940。 趣味は読書、水泳、写真撮影です。

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