信じることの素晴らしい力


自分は若いと思うことは、脳によい。

ある研究によると、たとえば60歳の人が、自分はもっと若くて40歳くらいだと思っている場合、平均より記憶テストの得点が高く、健康状態も良かったそうです。

そうすると、実際の年齢より自分は若いと信じればいいのかということになります。

悪い信念をもつと、その通りになる。

しかし、ここに非常に興味深い他の研究があります。

60歳以上の年輩者をAとBの二つのグループに分けて、記憶テストを行いました。Aグループでは、「これから心理テストを行います」と説明して記憶テストを行いました。他方、Bグループでは、「これから暗記テストを行います」と説明して記憶テストを行いました。なお、記憶テスト自体の問題は同じです。

すると、「暗記テストを行います」と告げたBグループでは、「心理テストを行います」と告げたAグループに比べて、得点が半分になってしまったそうです。同じ問題であるにもかかわらず。

一般に、年輩者は「歳をとると記憶力が落ちる」と信じています。すると、その信念通りに記憶力が低下する。つまり、自分は年輩だから「暗記」は苦手だと思うと、その信念通りの結果が出る。

記憶力は歳をとっても衰えない!?

そして、まだ続きがあります。「心理テストを行います」と説明して記憶テストをしたAグループの年輩者(60~74歳)の得点は、同じテストをした若者(18~22歳)の得点とほぼ同じだったそうです。つまり、「記憶力は歳をとっても衰えない」可能性があるらしいのです。

でも、本当にそんなことがあるのでしょうか。

少し話題は変わりますが、マスターズ水泳の自由形50メートル(25~29歳)の世界記録は、22秒30だそうです。他方で、70~74歳の世界記録は27秒71です。およそ25%ほど記録が低下しています。

でも、70~74歳の「27秒71」を出せない20歳は、非常に多数いるに違いありません。もちろん私も、こんなタイムは到底出せません。つまり、年齢で多少能力が落ちるとしても、鍛えに鍛えた年輩者は、たいていの若者を凌駕するのです。

暫定的結論

そこで、そろそろ私なりの結論です。

自分はできないと思えば、その通りになる可能性が増す。できないと思えば、自分の能力を制限することになる。したがって、「自分はできる」と信じるのが合理的行動である。

また、年齢その他のハンデキャップが仮にあったとしても、諦めずに努力することで、自分の能力を飛躍的に伸ばすことができる。27秒71は、すごい記録である。したがって、「できない」というのは、単なる言い訳であって、現実は自分の努力不足である。

そして、これは多くの領域に妥当する。自分は大金持ちになれると信じて努力を欠かさなければ、間違いなく大金持ちになれる(笑)。

参考:Andrew Weil, M.D. 「Feeling Younger Is Good For Your Brain
キャロル・S・ドゥエック 「マインドセット:やればできるの研究」

 


hidenorin
早稲田大学商学部卒業。名城大学大学院法務研究科修了。 趣味は読書、水泳・ジョギング、写真撮影です。

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