どうしたら人を許せるか。 その2


アミット・スード博士は、許しを生活で実践することについて、患者さんから多くの知恵深い話を聴く機会に恵まれたそうです。そして、とくに役立つと思う珠玉の話が9つあるそうです。今回はそのうちの4つをご紹介します。

1 許しは生涯にわたって続くプロセス

難しいことを1回でマスターしたり、ひとたびマスターすればスキルはさび付かない。そんななことが考えられますか。そんなことは、あまり考えませんよね。ほぼどんなスキルでもマスターするためには練習が必要ですし、継続して練習することでスキルを保つことが可能になります。身体は食物と水を毎日必要とします。それがなければ身体は消耗してしまいます。昨日の睡眠は、今日の睡眠の代わりにはなりません。庭の芝は何日かおきに刈らなければ、きれいに整えておくことはできません。

同じように、許さないこと、許そうという気持ちになれないことは、人間の心の本能なのだそうです。今日あったつらいことを許しても、同じつらいことが、明日またあなたの心を悩まします。同じ問題を何回も許し続けなければいけないのです。そして、それは未来永劫まで続くプロセスです。

2 許しはまず自分から始めてもOK

次の3つの文に同意できますか。

・まず自分が身につけて初めて、あるコンセプトを教えることができる。
・まず自分が情緒的・精神的に成長しなければ、他人を情緒的・精神的に助けることはできない。
・他人をより上手に保護するためには、自分がさらに強くならなければいけない。

他人を気にかける前に、まず自分を気にかけてあげなければいけません。たとえば飛行機に乗っているとき、酸素圧が下がってきたら、自分の子どもを助ける前に自分が酸素マスクを着用しないといけません

私たちを傷つける人は、許しに値しないと思えることが多いです。あなたが許すことで最も助けを得られるのは、あなた以外にいません。他人を許す前に、まず自分を許してください。

3 人間は誤り・失敗をおかしやすい

あなたがこれまでの人生で個人的に関わりがあった人で、以下の事項に該当する人は、どれくらいいますか。

・本当に賢明な人
・本当に思いやりがある人
・いつも正しいことをする人
・高次の目的のために生きている人
・個人的な問題がほぼ全くない人
・セルフコントロールが非常に強い人
・ほとんど怒らない人
・いつも思いやりのある言葉を使っている人
・いつも自分のことの前に他人のことを考える人
・以上の性質をすべて持っている人

どれくらいの数になりましたか。おそらくとても少ないのではないでしょうか。とくに最後の事項については、ほぼゼロではないでしょうか。

人間は、誤り・失敗をおかしやすいです。人間の判断には限界があります。人間の心は、目先の満足を欲すると、間違った方向に行ってしまいます。人間の考えは、自己防衛や自分の成功という思考に支配されます。このような状態では、自分が何かを行うとき、それに伴って間接的にどんな損害を引き起こすかが理解できないのです。これは誰の責任でもありません。単に人間の心の限界なのです。

人間は誤り・失敗を犯しやすい。そう考えれば、他者に対する期待は今より下がるでしょう。すると、他人と自分を許すことが、もっと簡単になります。

4 嫌な気持ちをひきずらない

野菜スープを作る場合には、野菜と塩、香辛料、水を混ぜて、じっくりと煮込みます。心がすることも同じです。もともとの考えは誇張され、一般化され、些細なことが大事にされて、スパイスが効いてきます。そして、こうしてスパイスが加えられた考えを、私たちは心の中で煮込みます。嫌な思いが心の中で一杯になり、許せないと思ってしまいます。最終的に出来上がったものは、現実に起こったことにスパイスが加えられたものです。

つらい気持ちがブラックホールにならないようにするためには、考え過ぎないようにすることが大切です。どうしたら、そうできるでしょうか。現在の状況を再構成するためのアイデアがあります。そのうちのいくつかは、アクセプタンス(受容すること)で出てきたテーマと重なります。これはいいと思うものをチェックし、自分の考えを加えてみてください。

・その人の正しい部分に注目して、それに感謝する。

・その人の立場にいたなら、自分は何をしたかを考えてみる。もしかしたら、同じことをしたかもしれません。

・その人は、あなたを傷つけようとしたのではなく、無知から、あるいは自己防御から行動したのではないかと考えてみる。

・私も含めて、完全な人はいないことを理解する。人間は誰でも間違い・失敗を犯します。

・今はとてもつらい、大きな損失と思えることでも、何年か経てば何でもないかもしれません。「今から何年か経ったとき、このことはそんなに大事なのだろうか」。そう自問してみてください。

・自分にとってつらいことでも、それは自分を助けてくれたかもしれない。また、未来の自分に役立つことかもしれない。その可能性に注意を向けてみてください。

・許すのは、自分と他人に思いやりを持ちたいから。人を許すことで自分が楽になります。許すことで身体的・精神的・情緒的な健康が増進します。ですから、人を許すことは自分に対する思いやりです。

感想

その1でもご紹介しましたが、人間の心は理性的ではなく、合理的でもないそうです。人間の心はむしろ、近視眼的で先のことを考えず、セルフコントロールを欠き、硬い偏見に導かれ、早まった結論に飛びつき、衝動や盲目的な愛情・情熱、恐怖に支配されやすい。なので、他者のことを考えず行動してしまうこともあるでしょうし、100%正確な判断も期待できません。

そう考えると許しが実践しやすくなります。私は何かあったときには、何とかして自分にこれを言い聞かせます。すると、一晩寝れば、だいたい忘れてしまうことが多いような感じがします。(^-^;

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参考:Amit Sood, M.D. 「The Mayo Clinic Handbook for Happiness」


hidenorin
翻訳者。早稲田大学商学部卒業。名城大学大学院法務研究科(法学既修者コース)2016年修了。 全国珠算教育連盟珠算検定試験1級。TOEIC940。 趣味は読書、水泳、写真撮影です。

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