幸福になれば成功できる!?


幸せがお金を運んできてくれる?

「お金をたくさん稼げば、幸せになれる」。どうやら、これは正しくないようです。では、「幸せになれば、お金がたくさん稼げる」。これは正しいでしょうか?

「幸せがお金を運んできてくれるか」。この問いに、ソニア・リュボミアスキー(心理学者)は、「そう考える根拠がある」といいます。

何があれば人は幸せになれるのか?

ソニアは、この問いに対して、以前は「人間関係」だと答えていたそうです。固く強い友情、家族の結びつき。科学的見地からも、人間関係は、持続的幸福と最も高い相関を示している。

しかし、持続的幸福(ウェルビーイング)に関する225の研究を分析していたときに、あることに気づきました。人を幸せにするもの。その点で、社会的人間関係よりも重要な要素があることが分かったそうです。一体それは、何だったのでしょうか?

幸せになるために必要なこと

この点について、ラジ・ラグナタン(マコームズ・スクール・オブ・ビジネス教授)は、①食物、衣服、住居といった「生活必需品がある」こと、②単なる知り合い以上の「強固な人間関係がある」こと、③自らを「有能な存在だと感じている」こと(書くこと、走ること、利他的であること。何でもいいから、自分には上手にできることがあると感じていること)、④「自由だと感じられる」こと(他人にコントロールされていないと感じられること)の4つをあげています。

ただし、この4つが満たされるだけでなく、この4つの条件をどのようにして満たすか。それもまた重要な要素だというのです。

外部の状況を変えるのではなく、自分自身をコントロールする。

たとえば、②「強固な人間関係」は、「愛される」こと、あるいは「愛する」ことで実現できます。③「有能感」は、実際に何かに「秀でる」こと、あるいは「内的な興味・関心」を追求することで実現できます。④「自由」は、外的コントロール(他人や結果をコントロールすること)、あるいは内的コントロール(他者や結果に対して自分がどう対処するか)で実現できます。

でも、愛されること、何かに秀でること、他人や結果をコントロールすること。こうした外部の状況を変えて得た幸せは、長続きしない。長期的にみると、かえって幸せレベルを下げるのだそうです。

これに対して、愛すること、情熱を追うこと、自分自身をコントロールすることは、短期的な幸福ばかりでなく、持続的幸福も高める。しかも、自分だけでなく、身の回りにいる他の人の幸せも高める可能性まであるそうです。

人を変えるのではなく、自分を変える。結果を追わない。なるほどです。深いですね(笑)。

人間関係より重要な要素

さて、話を元に戻します。ソニア・リュボミアスキーは、人を幸福にするものについて、人間関係より重要な要素があることに気づきました。その要素とは「仕事」だったのです。

自己裁量権があり、意義のある単調ではない仕事に就き、優れた業績、創造性、生産性を示している人は、そうでない人に比べて、幸福度が相当に高かったそうです。

では、どうして仕事が幸福度に影響するのでしょうか。それは仕事は自己のアイデンティティとなり、大切で意義のある人生の目標となるから。より大切なのは、おそらく仕事により、親密な同僚、友人、さらには結婚相手まで得られるからではないかといいます。

幸福度と収入との相関性

職場で高い創造性、生産性を示した人が、高い幸福度を示した。これにとどまらず、幸福度の高い人は、より高い創造性・生産性を示したといいます。幸福度の高い人は、自らの義務以上のことをし、交渉も上手で、病欠も少なく、燃え尽きも少なかったとか。

また、収入についても、これが当てはまるそうです。ある研究によると、ある時点で幸福度が高い人は、その後、収入についても高くなっていたといいます。

感想

「幸福になることを、第一に優先する」。私はこれまで、そんなことは現実的ではないと思ってきました。そんなことをしていたら、生きていけなくなる(食べていけなくなる)。そう思っていたからです。でも、「幸福になることを優先すると、食べていけなくなる」というのは、どうでしょうか?少なくとも、そんな因果関係は、なさそうです。

自分の情熱に従うことも、それほど悪い方法ではないと思います。少なくとも、幸福にとってはプラスになるのですから。

また、仕事が幸福に影響することについても、なるほどと思いました。24時間のうち3分の1は、仕事に費やすからです。仕事を慎重に選ぶことも、大切そうですね。個人的経験からも、そう感じます(笑)。

参考:
Sonja Lyubomirsky Ph.D. 「Happiness Breeds Success…and Money!」
Raj Raghunathan Ph.D. 「Smart, Successful, and Yet Not Happy?」


hidenorin
翻訳者。早稲田大学商学部卒業。名城大学大学院法務研究科(法学既修者コース)2016年修了。 全国珠算教育連盟珠算検定試験1級。TOEIC940。 趣味は読書、水泳、写真撮影です。

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